優利加
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2003年8月から個人投資家に株式トレード技術の指導をする「優利加塾」を開講。2007年4月から准教授として大学及び大学院にて「数理ファイナンス」、「金融工学」、「ファイナンス概論」、「経営財務」などの科目を講義する一方、学部生及び大学院生の「演習(ゼミ)」の指導も行っている。モットーは「自他共楽」と生涯現役の株式トレード。著書の『
生涯現役の株式トレード技術』は、2006年2月出版以来、続々と感動の声が殺到。 ブルベア大賞2006 大賞を受賞。
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「生涯現役のトレード日記」
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トレードにおける「悟り」とは 12月21日
数学の世界では、微分可能な関数はどんな複雑なものであれ、テーラー展開することにより近似式に変換でき、僅かな変化⊿xに対するわずかな変化⊿yが近似計算できます。金融工学でもコンベキシティの理解やブラックショールズモデルを導出するために必要な数学的手法です。テーラー展開は高校の数学3(工業高校では応用数学)、大学教養課程の解析学または微積分学で学びます。本質を押さえていれば、ある前提条件が少し変化した場合、その結果である少し先の変化はかなり推定できる、と言い換えることができます。(高校生、大学生の頃、こんな数学が一体何の役に立つのだろう、と思って学んでいましたが、社会人3年生くらいんになって、コンベキシティやブラックショールズモデルと取り組むようになり、こんなに役に立つものなんだということがよくわかりとても感動したことを覚えています。)
同じような発想が、オプションのブラック=ショールズモデルが前提としている株価の一般化されたウィナー過程という株価変動の確率過程です。簡単に言うと、BSモデルでは、株価の動きはトレンドを表すドリフト項とランダムに動き回り確率的にしか表せないウィナー過程の項の2つから成り立つと考えるものです。中期トレンドをドリフト項、日々の株価の動きをウィナー過程と考えると分かりやすいでしょう。
トレンドは発生中はよく観察していればすぐに気づきます。しかし、日々の上げ下げはどんなに分析しても予知できません。確率的にこれくらいとしか言いようがないのです。だから、予知することに頼った売買では上手くいかないので、信頼度がより高い中期トレンドに軸足を置いた戦略と、その戦略と整合性のある建て玉操作法が、我々が確立すべき、「不動の軸=トレードにおける悟り」です。最重要項目は株価の中期トレンドであり、戦略をその方向性に合わせることです。根の玉、つなぎ玉などの建て玉操作も含めて、そこを起点として全てが始まります。
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優利加塾の本質とビジョン 12月07日
優利加塾の本質は、向上心と自他共楽的な精神を併せ持つ有志が集まり、互いに良い刺激を与えながら、以下のことを実践することです。
(1)「観測⇒eureka!⇒仮説⇒検証⇒法則化⇒微調整」のサイクルを通して、「原因⇒過程⇒結果」の因果関係をeffective & efficientに探究し、何故、どのように株価は上昇トレンドを継続するのか、反対に、何故、どのように株価は下降トレンドを継続するのかを十分に理解する。また、トレンドが反転する前後では数々のサインを発するが、そのようなサインはどのようなものかを理解する。株価は企業業績の見通し及びそれが依って立つマクロ経済の動向という根本原理が根底にあるので、特にこの傾向がはっきりしています。
(2)株式トレードの利益の源泉は何かを理解する。これが特定できていれば、何に意識を集中すれば良いのかがわかり、何を知るべきか、何をすべきかということに関して、徒労を未然に防ぐことができる。
(3)体系的な知識は必要だが、それは単なる必要条件に過ぎず必要十分条件ではないので、何が決定的に足りないのかを理解する。
(4)株式トレードに必要な体系的な知識を習得しても、それが単なる詰め込み知識であれば、目の前で起こっている現実を正しく認識できない。正しく認識できなければ、正しく行動することもできない。何故、正しく認識できないのか?
(5)正しく認識できても、その認識と整合性のある行動をしなけば、期待された良い結果は生まれない。
(6)何故、正しい認識と整合性のある行動をしないのか?
(7)結局、「知識⇒認識⇒行動」の訓練不足により、「恐怖と欲望」の壁を克服することができないから。
(8)株式トレードにおける究極的な目標の一つは、「恐怖と欲望」の壁を如何にeffective & efficientに克服するかということ。この具体的な訓練法の基本を学び、各自が自分なりにさまざまな創意工夫を加えながら、それを生涯継続することである。
(9)上記全てを継続するためには、高いモチベーションの維持が必須条件である。高いモチベーションを維持するための工夫と仕掛けが必要である。その具体策として、優利加塾MLおよびその分会があり、また、有志が自発的に運営している、お互いに顔を突き合わせて話し合える定例勉強会である東京、名古屋、大阪の各ブロック会があり、また、合宿があるのです。
この優利加塾という出会いと学びの場を最大限活用しようとしている少数派の人もいれば、自らは積極的な努力はできるだけ惜しみ、都合の良いところだけつまみ食いしようという姿勢の人も少なからず見受けられます。そのような姿勢でも、今まで悔いのない幸せな人生を送ってこれたなら、それはそれで良いでしょう。結果オーライです。幸せとは主観的なものだからです。しかし、今までは結果オーライだったとしても、これから残りの人生も結果オーライと考えるのはナイーブ過ぎるでしょう。
人生の本質は、次々と湧き起こってくる問題を四苦八苦しながらも何とか解決して行く過程であり「終わりのない問題解決の連続」です。別の視点から見ると、考えられうる解決策のうちどれを選ぶかという「終わりのない選択の連続」とも言えます。ただし、多くの場合、どんなに分析しても事前に結果としての正解は分からず、事前にはただ確率的に高いか低いかだけが見えてくるだけです。それでも、人生を生きて行くには自分がその時に最良と考えた「選択」を続けるしかないのです。その上で、どのような結果が起こっても、「想定の範囲内」として淡々と受け止める覚悟をしておくのです。良い結果だけを渇望するが、ただ坐して待っている人は、ただ坐して待っているに値する結果と、その集積である人生しか送れないでしょう。
例え暴風雨の中でも、向上心の炎を絶やすことなく燃やし続けましょう!そのような向上心の炎の持ち主の集団こそが優利加塾の目指すビジョンです。また、そのような向上心の炎の持ち主か、そうなりたいと願っている人しか、私が何を語ろうが何を書こうが、「縁なき衆生は度し難し」となり、心には響かないでしょう。それもまたその人の人生の選択です。
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