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MBA的発想人

仕事筋シリーズ №2
MBA的発想人

斎藤広達
定価本体700円+税
文庫判 約256頁
2008年2月14日発売
ISBN 978-4-7759-3047-2 C0133



目次 | はじめに

破綻寸前の日本経済
半年後、あなたは生き残っているか?
米国・欧州MBA、ボストンコンサルティングで叩き込まれる
これが世界基準「脳みその使い方」だ!!

MBAホルダーの本当の強さ。それは留学によって身につけた英語力でも、最新かつ詳細な経営知識でもない。彼らの強み、それはひたすら“考える”ことで磨き上げられた「MBA的発想力」である。しかし、すべてのビジネスパーソンにMBAの資格が必要なわけではない。多くの人にとって必要なのは、柔軟かつ論理的な“考える力”である。
本書では昼食の選び方や新聞の読み方、読書法などの身近な事柄を題材に上げ、読めばすぐに取り組める“頭のトレーニング法”を満載している。経営方針や担当職務が変わろうとも揺らぐことのない、あなた自身のビジネス力を育てる術を体得してほしい。



著者コメント

MBAとはMaster of Business Administration(経営学修士課程)の呼称です。 米国や欧州でのプログラムを指すことが一般的ですが、最近は日本国内でも修得できる大学が増えつつあります。授業はケーススタディが中心。実践的な経営学を2年間にわたって、みっちり勉強することで経営のプロフェッショナルを育てることが目的とされています。

今では、企業派遣制度や留学資金融資などで取得のチャンスは増えてはいますが、何もMBAホルダーになることが重要なのではありません。大切なのはMBA的発想力を身につけて、問題の本質を見抜く力を養い、効率的に答えを導き出す。そして、それを実践することで結果に結びつけていくことです。

MBA的発想力とは、瞬時に頭のスイッチを入れ、集中して何をすべきか考え抜くこと。これからの時代をサバイブするために必要な「脳みそ」を手に入れて、最短な時間で最大の効果を出す。日々の業務に追われ、削られがちなプライベートを充実させるためにもぜひ活用してください。

※本書は、アミューズブックスより刊行された『MBA的発想人』を、文庫収録にあたり加筆、再編集したものです。



目次

はじめに ~これからの課長に求められるのはMBA的発想だ~

第1章「MBA的思考術」   
(1)成功するため、楽しく生きるためには、頭を使って考える
(2)ややこしい問題は“バラバラ分解”で解決する
(3)隙間時間を活用して残業を50%カットする
(4)MBA流 新しいアイデアの生産戦術
(5)英語は日本人発想そのものを破壊しないと身につかない
(6)乱読こそが「使える考え方」の獲得術だ


第2章「MBA的課長術」
(7)部下からの“報連相”は3つのポイントにまとめる
(8)何でも時間をかければよいってわけじゃない
(9)考えるときは手を動かせ/ホワイトボードを使おう
(10)「言わない」のは「考えていない」のと同じ
(11)ランチを何にするか決めるのも、考えるトレーニング
(12)「ハーマンモデル」で仕事の役割を決める


第3章「MBA的自己研鑚術」
(13)新聞を斜め読みして、切れ味鋭いロジックを鍛える
(14)知識を意図的に芋づる式に増やす方法
(15)テレビを見ながら仮定条件を批判する力を鍛える
(16)家庭のバランスシートを作ると見えてくること
(17)ウエートコントロールで損益管理の感覚を磨く
(18)子供の教育は「強み」への投資だ


第4章「MBA的自己実現術」
(19)MBA流自己紹介で自分自身をよく知ろう
(20)“あなたブランド”をマネジメントしてみよう
(21)今の仕事に不安を感じたときに考えるべきこと
(22)大胆な転職をするには「ダウンサイド・リスクのヘッジ」が必要だ


あとがき ~本書を書くにあたって使ったMBA的発想~


著者紹介

斎藤 広達 (さいとう・こうたつ)
1968年東京生まれ。慶應義塾大学を卒業後、エッソ石油(現エクソンモービルマーケティング)に入社し、主にマーケティング関連の業務に従事。シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得後、ボストン・コンサルティング・グループ、シティバンク、ローランドヘルガーを経て、現在はゴマ・ホールディングス、取締役社長。
著書に『ビジネス力養成講座』(飛鳥新社)『MBA仕事術』(日経BP社)『MBA的課長術』(幻冬舎)、『パクる技術』『失敗はなかったことにできる』(ゴマブックス)、『MBA的「無駄な仕事」をしない技術』(青春出版社)などがある。



はじめに

これからの課長に求められるのはMBA的発想だ――

“日本的課長”には受難の時代がやってきた

 これまでは、自分の課の仕事をきちんと管理していれば、課長としての役割を果たすことができた。ところが、時代は猛スピードで変わり、管理することしかできない課長はまっさきに早期退職のターゲットにされてしまう。運よく社内に残れたとしても、これまでまったく経験のない部署に課長として着任することになったり、ある日突然自分の会社が外資企業と合併し、上司が外国人になったりすることだって起こり得るシナリオだ。
 いずれにせよ、悠長に仕事ができるような余裕はまったくなくなる。変化にすばやく対応して、すぐさま結果を出すことが求められるようになるのだ。転職して新たなチャレンジをしようと思った場合でも、「課長ができます」だけでは企業は見向きもしてくれない。普段からさらなるキャリアアップを目指すための自己投資が必要になってくる。
 家庭生活でもするべきことは山積みだ。子供の教育、住環境の整備についても、変化の激しい時代にすばやく対応できる手をタイミングよく打てることが必要になってくる。
 しかしながら、こんな課長像はどうにも特別な姿ではなさそうだ。各国でバリバリと働く“世界標準の課長”にとって、これは以前から当然のスタイルだった。着任してすぐに結果を出す。自分の専門分野でない領域でも付加価値をつける。ビジネスマンとしてのキャリアアップを実現するために、自己研鑚を積む。そしてハッピーな家庭生活と仕事を両立させる。
 それにしても、一体何を実践したらそんなすごい課長になれるのか? やはり海外で数年間経験を積むことが不可欠なのか。それとも人格者になるために山にこもって修行するべきなのか。あるいは速読や速聴の訓練を積んで、人並みはずれた能力を身につけるべきなのか。  いや、けっしてそんなに大げさなことではないはずだ。ちょっとした頭や体の使い方で、世界で通用する課長になることができる。これからの激動の時代を駆け抜ける、稼ぐ課長になることができるのだ。
 課長に昇進したときのことを思い出してほしい。平社員時代に身を粉にして働いた努力がやっと花を開いて、あなたは輝かしい辞令を手にした。まわりから優秀と噂されながらも、長い長い下積み生活を経て、ようやく管理職の一人になった。人並み以上に業務はこなせる。個人の目標を達成できる力はある。そう、あなたは課長になれるだけの優秀なビジネスマンなのだ。だからこそ課長になれた。それだけの力を腐らせてしまうのはもったいない。ほんのちょっとした心がけや頭の使い方であなたの高い潜在能力が花を開くはずだ。
 しかし、現実の厳しさはあなた自身がいちばんよく分かっている。できると評判だった平社員時代と比べると、生産性が明らかに低下している。そして、自分のまわりを見渡してみると、同じように毎日苦虫を噛み潰したような顔をしながら、人の話を理解しようともしない頑固な上司や、言うことを聞かない宇宙人のような部下の愚痴をこぼして生ビールをあおっている多くの課長仲間がいる。彼らと傷の舐めあいをしていると、ついほっとして、つまみをもう一品注文したい気分になる。ところがその一方で、社内には自分一人ではけっしてできないようなスケールの大きな仕事をいとも簡単にこなしている課長が……。
 彼らはMBAなんぞを持っているらしい。そんなにMBAは偉いのかいと息巻きながらも、自分もやっぱり数年前に一念発起して留学しておけばよかったのかなあと軽く後悔したり、逆にMBAが何だかよく分からないだけに、不必要な劣等感を持ったり、理由もなく敵意を抱いたりしてはいないだろうか。  彼らは何がすごいのかよく分からない。自分の専門分野では負ける気がしないし、実際に仕事で対等にやりあえてはいる。ところが、やっぱりどこかでかなわない感じがしてしまう。
 幅広い題材での議論になると彼らはめっぽう強い。また、ややこしい問題に直面したときに、彼らはサクサクと問題解決のゴールに向かって、まるでそれを楽しんでいるかのように突き進んでいく勇ましさがある。留学帰りというわりには、けっして流暢な英語をしゃべるわけではないが、外国人と話すとどうも自分よりも話がよく伝わっている。やっぱり何かが自分と違うことだけは確かなようだ。
 MBAを持っている人材=課長に適した人材というわけではない。しかしながら、やはり彼らに有利な一面があるのも事実だ。だがそれは、MBAで最新の経営学を学んできたからではない。理由は別のところにありそうだ。
 MBAは最新の“すごく難しい”経営手法を学ぶプログラムだと思われている。しかし実際はまったくの反対で、経営に関する基本的な内容を勉強するプログラムだ。会計、財務、戦略、マーケティング、オペレーション、人事などなどの基礎的なコンセプトについて2年間かけてみっちり学ぶ。内容自体であれば、別に独学でできないこともないし、世の中には簡単な参考書があふれている。では、一体何が大変なのだろうか?

MBAがもたらしてくれる武器とは?

 実は、2年間のMBA生活をサバイブするのは大変なことなのだ。正攻法でまともに一人でやり抜こうと思ったら、それこそ1日24時間あっても足りない。学校側は意図的に、真正直にやっていたら終わらない量の課題を要求するからだ。
 例えば、ある学期に4科目履修しているとする。だいたい一科目当たりまるまる2日は予習と提出物の準備に時間がかかる。ということは、週8日ないと終わらない計算だ。そんな過酷な状況下で、学生たちは何をどうまわしていくことが近道で、なおかつ最も効率的なのかだんだんと体で分かってくる。その技を2年間積み重ねた結果として、MBA的発想またはMBA的処世術とでも呼べる武器を彼らは手にする。
 それにしても、経営学の基本とはいえども詰め込まれる知識の分量は半端ではない。2年間で経営学に関わるほぼすべての科目を網羅するので、毎日毎日新しいことを脳みそにインプットしている感覚だ。今日は財務担当者、明日は戦略企画室長、そしてその次は組織のエキスパートへとカメレオンのように変身して、10代の受験戦争時代に戻ったように次から次へとコンセプトを理解して、最低限の基礎的な内容は覚えていかなくてはいけない。
 しかも、ハイ理解しました、覚えました、では良い成績はもらえない。それらを実際にハードなケーススタディに当てはめて、アウトプットを出さないといけない。ときにはそれが個人で書くレポートだったり、授業のなかのつたない英語でガタガタと震えながらの発言だったり、ケースメンバーと共同で作り上げるプレゼンテーション・パッケージだったりする。とにかくこのアウトプットを生産する作業には恐ろしく時間がかかる。
 例えば、ある日社内でまったく関係のない部署に配属になって、2日後には今後の戦略についてレポートを仕上げ、それを外国人の上司の前で質問攻めにあいながら発表をする、そんな感覚に近い。そして、そのレポートを書くためには、100ページ以上の参考文献を読み込まなければならず、つい数時間前に覚えた経営学のツールを使ってゴリゴリと分析をすることが当たり前のこととして求められる。とにかくタフなミッションだ。結果として常に睡眠不足に悩まされ、いつでも次にやらなければならないことが亡霊のようにつきまとう日々を送ることになる。
 もちろん、初めからこんな技が使えるわけではない。とにかく時間を使って無駄な作業をしこたま繰り返すうちに、がむしゃらに勉強をスタートするのではなく、最初にちょっとだけ頭を使い、ぐっと集中して何をすべきか考えることがサバイブするためのミソだということにふっと気づくものだ。そうすることで、必要なものだけに手をつけることができるし、重要なコンセプトについては、まずはその分野に明るいクラスメートに簡単に教えてもらってから、勉強をスタートすればよいことが分かってくる。  例えば、これまでまったく無縁だった企業価値の計算ツールを使って、半導体業界のM&A戦略についてレポートを書かなければならないとき。まずは元投資銀行のクラスメートと、昔半導体業界で働いていたクラスメートを食堂や図書館で見つけ出し、5分ずつ話を聞く。そこで勘所を押さえておいて、課題のケースや参考文献から関連のある部分だけを読み込み、その後はグッと頭を使ってレポートをまとめていく。そんな処世術を実践できるようになってくるのだ。
 MBA生活を何とかサバイブして無事卒業できる頃には、強烈なタイムプレッシャーの下でもそれなりに高い水準の仕事ができるようになっている。自分に足りない部分は、まわりをうまく巻き込んでスパッと仕事ができるようになる。その見返りとして、高い報酬をもらい、管理職として企業に就職するものもいれば、経営陣と丁々発止でやりあうコンサルティングファームや投資銀行に就職する者もいる。なるほど、このようなMBAの技は高く売れるものらしい。
 そんな処世術や技を簡単に紹介する本があれば、何も2年間も留学する必要はないではないか? この本を書こうと思った理由はそこにある。MBAをサバイブすることでしか身につけられない“高く売れる”処世術。世界のビジネスマンとも対等にやりあえる、稼ぐ課長になることができる技。とても虫のよい話だが、この本にはそんな実践的なエッセンスを凝縮させている。これさえ読めば、稼ぐ課長になるために必要なMBAのいちばんおいしい部分が身につけられるはずだ。あとは自分の努力でMBAと同等の知識を得ればよい。MBAで習う経営手法に関しては、日本にいてもいくらでも教科書で勉強できる。英語を上達させるために、何も一千万円以上の費用をかけてMBA留学する必要はない。  飲み屋でもう一杯の生ビールを我慢し、ぜひ寝る前に一章でもよいから自分にとって興味のあるトピックスを軽く読み流してほしい。あるいは、いつもより少しだけ早起きをして、いつもより少しだけ空いた通勤電車のなかで、二日酔いの頭にカツを入れて数章を読み込んでほしい。そして、ひとつでもよいから自分で試してほしいと思う。そうすることで、あなたの課長としての力がパワーアップされて、世界で通用する“すごい”に一歩でも近づけるのであれば、筆者としては嬉しいかぎりだ。


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