2016年10月発売/四六判 352頁 ISBN 978-4-7759-4163-8 定 価 本体1,500円+税
著 者 ディーパック・マルホトラ、マックス・H・ベイザーマン 訳 者 高遠裕子、森下哲朗
座右の書・愛読書として ■証券分析■〔新版〕野蛮な来訪者■交渉の達人が紹介されました
本書では、交渉術・交渉学を基本的な理論から実践まで体系的で効果的なアプローチを伝授していく。このアプローチは、交渉や紛争の解決に関する最新の研究や、数千人に及ぶクライアントや企業幹部受講者の経験、そして、交渉者、コンサルタント、教育者としての著者や関係者たちの経験を生かしたものだ。ハーバード・ビジネススクールのMBAコース、企業幹部向けコースで教え、25ヶ国以上の50社あまりの大企業と仕事をするなかで、検証され、磨かれてきたものだ。
交渉の達人へのプログラムとして本書では、第I部では交渉の基本的な枠組み、第II部では交渉における心理学、そして第III部では実際の交渉で直面する重要な問題をカバーするという構成になっているが、それぞれが相互に関連づけられている点が本書の第1の特徴として挙げられる。第2の特徴は、各項目について、具体的事例、専門家による研究の成果、具体的戦略やアドバイスが豊富に盛り込まれている点である。
生まれながらの「交渉の達人」は滅多にいるものではない。達人らしく見えるものの背後には、入念な準備と、交渉の概念的な枠組みに関する理解、ベテラン交渉者ですら犯しやすい間違いやバイアスを避ける方法についての洞察、交渉を戦略的、体系的に組み立て、実行する能力がある。本書は、この枠組み、そして、すぐに実践に使える交渉戦略と戦術のツールのすべてを伝授する。
交渉の達人となるために必要なのは、知識と理解と意識的な練習である。3番目の意識的な練習は、読者自身にかかっている。
未熟な交渉人は、生活のなかで「交渉可能なこと」についての思い込みがある。たいていは、住宅や自動車の売買、企業の取引、露天商との駆け引き、雇用主との給与の交渉など、交渉可能なことの小さな集合ができている。こうした交渉がいかに上手くできるかを学ぶのだと期待している。無意識のうちに「交渉可能なこと」と「交渉不可能なこと」を区別しているのだ。
しかし、練習を重ねると交渉可能な集合は大きくなっていく。交渉可能な論点や争いごと、状況が増えていく。そして、集合が無限に拡大することに気づく。つまり、「交渉可能なこと」と「交渉不可能なこと」の区別はないのだ。
交渉の達人とは、集合が消えた人のことである。ぜひ、本書を利用して交渉の達人を目指して欲しい。
マックス・H・ベイザーマン(Max Bazerman) ハーバード・ビジネススクールの経営管理のジェシー・イシドール・ストラウス教授。 さらに、ケネディ行政大学院、ハーバード大学心理学部、定量社会科学研究所、ハーバード大学環境センター、交渉プログラムにも所属している。 コンサルティング、教育、講演を行った国は25ヶ国以上にのぼる。
原著『Negotiation Genius: How to Overcome Obstacles and Achieve Brilliant Results at the Bargaining Table and Beyond』
第II部 交渉の心理学 第4章 合理性が崩れるとき―認知のバイアス 第5章 合理性が崩れるとき―心理的バイアス 第6章 不合理の世界で合理的に交渉する
第III部 実社会での交渉 第7章 影響力の戦略 第8章 交渉の盲点 第9章 嘘とごまかしに対峙する 第10章 倫理的なジレンマを認識し、解決する 第11章 弱い立場からの交渉 第12章 交渉が荒れたとき――不合理、不信、怒り、脅し、エゴに対処する 第13章 交渉してはならないとき 第14章 達人への道
用語集 原 注 謝 辞 索 引 著者について
ページのトップへ