戦略コンサルタント&ベトナム株道先案内人 福森哲也
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株式会社STIサポート代表取締役/コーポレイトディレクション(アジアビジネスユニット)シニアアドバイザー/アサヒ衛陶(東証2部)常務取締役他。
日欧の戦略コンサルティング会社にて、“第2の創業支援”プロジェクト(上場前後のベンチャー企業/中堅・準大手企業/地方有力企業)や M&Aプロジェクトに数多く従事。その後、上場ITベンチャーの執行役員や大手家電グループ企業の経営会議メンバーを経て、独立。現在は、企業内部に入り込む形での上場・未上場企業の“第2の創業支援”と、ベトナムを中心としたアセアンでの“事業&人材開発”支援に注力している。
ベトナムとベトナムビジネスの入門書『ベトナムのことがマンガで3時間でわかる本』(明日香出版)は、2012年に出したミャンマー・カンボジア・ラオス版と共に、アジア事業担当者・駐在員に幅広く活用されている。また、日本にベトナム株投資を最初に紹介した『日本人が知らなかったベトナム株』(翔泳社)などもある。
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福森哲也のベトナム株投資
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小田実さん 2007年07月31日
小田実さんが亡くなられた。1989年のピースボートのインドシナクルーズでご一緒させていただいて、初めてのベトナムからバンコクに戻る飛行機も一緒でした。
戦争の匂い満々のサイゴンの空港で写真を取ろうとして頭をひっぱたかれ、「連行されるぞ。ここは軍事施設だ。」と言われたのが昨日のことのようです。開高健さんが亡くなられた時でバンコクで追悼文をお書きになると寂しそうな顔で。。。
ご冥福をお祈りします。
ベトナム株投資:3つの憂鬱 2007年07月24日
昨年末から半年ほどの熱狂過熱相場を演じたベトナム証券市場も、例年通りの季節要因(日本のゴールデンウィークあたりから秋頃まで低迷)に加えて、
・商業銀行の証券担保貸付の総量規制
・計画されている大型IPOによる資金需給バランスの崩壊
のダブルパンチで低迷を続けている。
このダブルパンチは、優良上場銘柄の売り圧力→当該優良銘柄の担保価値の下落+OTC(未上場銘柄)への換金売り圧力の増大→OTC/IPO銘柄の大幅下落→下落OTC/IPO銘柄の類似上場銘柄の更なる下落→当該優良銘柄の担保価値の下落+OTC(未上場銘柄)への換金売り圧力の増大→。。。というバッドサイクルを誘発しがちである。
企業価値と関係なく一方的に株価が上がるベトナム株ですが、下がる時も一方的に下がります。要は企業価値(将来性も含めた)から見て美味しい銘柄も増えつつあるように思われます。
こんなタイミングでの3つ目の憂鬱は、詐欺や投資家にとっては詐欺と変わらない実態のベトナムファンド(私募が多いですが、最近では公募形式でも危ないものが出てきているようです)が増えていることです。
ベトナム株に関する日本初の本を書いたおかげで、ベトナム株に関係する有識者の方や情報サイトの主宰者の方などが殆ど友人・知人なので、いろいろな裏話がはいってきます。
セミナーの度にスキームやスキームに登場する会社が変わるファンドや、同じファンドのはずなのに違う締切日で投資を勧めるメール・電話がガンガンかかってくるファンド、ベトナムに2~3回しか行ったことがないのに「専門家です」と言い切るファンド、ベトナムの新興会社の社長個人の覚書のようなもの1枚で億円単位の投資をしてしまうファンド、ほとんどお金が集まっていないファンド、このタイミングで集めるだけ集めようと必死になっているファンド・・・
株式投資やベトナムそのものに大きなリスクが伴うのですから、投資するスキームや相手は慎重に慎重に選んで欲しいと思う今日この頃です。
*私の評価軸(参考)
1:ベトナムから逃げれるか、逃げられないか
2:ベトナムが好きか、お金儲けが好きか
3:ベトナム人を馬鹿にしているか、いないか
ベトナム女性の人生イロイロ 2007年07月15日
前回のホーチミンは、すごく久しぶりに台北経由のチャイナエアーで行った。行きも適度なタイミングでトランジットが入るし、帰りは当日夜に自宅に着くのでリズムが狂わずに済んで、翌朝からの仕事が楽だった。意外な発見でした。。。
さて、行きの台北からホーチミンの飛行機の斜め前にお母さんと女の子の赤ちゃん(2歳ぐらい?)が座っていた。途中で赤ちゃんと少し遊んだりしていて楽しかったのだが、降りる時が大変。ものすごい荷物と赤ちゃんの抱っこでお母さんはてんてこ舞い。仕方ないので途中から入管・荷物テーブル・空港の外まで荷物を幾つか持ってあげた。どうやらベトナムから台湾に働きに出て、現地で台湾の人と結婚したらしい。でも、結婚相手が仕事もせずに大変で、とうとう離婚。今回の帰国は赤ちゃんを自分の母親に預けるための帰国らしく、親戚一同へのお土産を山のように持って帰ってきたということだった。空港の外で親戚一同が待っていたが、祖母に抱かれた赤ちゃんは大泣き。。。お母さんはこの赤ちゃんを残してまた台湾に戻って働くとのこと。。。。哀しそうだった。
でも、9月には台湾のベトナム人の友人たちと日本に旅行に来ると行って嬉しいそうにしていた。やはりタフだな。。。ベトナム女性は。
前々回のホーチミン行きのベトナム航空の隣の女性は、日本への旅行の帰りでディズニーシーの写真なんかをPCで見せてくれた。オーストラリアとかあっちこっち旅行しているので、???だったが、聞くとエバー航空のCAさん。台北中心に月の殆どを飛行機の中で過ごしているらしい。
ホーチミンで遊びに行く安めのラウンジの女の子達は大体19歳~23歳ぐらい。片親がいない子が殆どで、貧しくて大学なんて行けてないが、頑張って英語の学校なんかには通っている。ラウンジの一部屋ぐらいのスペースに親子5人ぐらいで住んでいるのが普通で、それでも月80ドルぐたいするらしい。お客さんのチップは生活費で母親に渡すと言っていた。固定の月80ドルとドリンク代(客は5ドル(8万ドン)→女の子に2万ドン)で大体月に100ドルぐらいもらえるらしい。英語学校が3ヶ月で100ドルぐらいとのことで、携帯電話もバイクも弟と共有していた。
ハノイにある日系の高級ラウンジでずっとマネジャーをしていた友人は、ラウンジを辞めて給料は下がるけど日系企業に勤め始めている。可愛いだけでなく頭も非常にいいし、性格もいい女性なので、転進も可能だったのだろう。ベトナム航空の地上勤務の話も来たが、2万ドルぐらいは斡旋者?に渡さないといけないということで断念していた。何かの拍子に「10歳昔に戻れたら絶対に大学に行きたい」とつぶやいていたのが忘れられない。
ヘンカップライ
ベトナムでの日本人投資家のプレゼンス低下 2007年07月12日
先週又サイゴンに行ってきました。最近行く度に感じるのは、ベトナム証券投資市場での日本人投資家のプレゼンスの低下です。以前は、ベトナム人の日本人への親近感とアジアの富裕国日本への期待、増加スピードの速い日本人証券口座数などから、少なくともアジアの中では最も存在感が有ったように思います。また、昨年末からの新聞・雑誌・テレビなどマスメディアの、一時的とはいえ、ベトナム株ブームの中で、日本にいると益々ベトナム証券投資市場が身近なものになったかのように感じてしまいます。
しかし、実際に現地に行くと、
①韓国・台湾・香港の投資家の躍動ぶり
②口座数は多いけれども実際の売買高の少ない日本人投資家の実態
③日本と同様のサービスを前提にした日本人投資家からのクレームや要求や質問の数々
などから、各証券会社の中で日本人投資家への失望感とやるせなさが漂い始めているのを感じてしまいます。ベト株情報の主幹の伊藤さんやベトナム株総研の鏑木さん、ジェトロのシニアアドバイザー氏などと話していても、やはりこの傾向は感じておられ、強い危惧を抱いておられます。
マネーベトナムと組んで日本人向けサービスを拡充しようとしていたホーチミン市証券は、マネジメントチームが別の証券会社を設立した影響もあり、今後はあまり日本人向けには力を入れないようです。日本語も話せるMienさんも、凄く寂しそうにしていました。
サイゴン証券でも、英語チーム/中国語チーム/韓国語チームの躍進の中で、徐々に日本語チームの肩身が狭くなってきているようでした。
先日、サイゴン証券の新本社オフィスに行った時にも、20人ぐらいの台湾からの口座開設ツアーの団体が嬉しそうに手続きをしていました。韓国の投資家への口座開設サービスや投資情報提供をしている日本にも住んでいた韓国の若者は忙しそうに、楽しそうに仕事をしています。彼は、私の本(「日本人が知らなかったベトナム株」)で最初勉強をしたとのことでしたが。。。
街を歩いていても、チョッと前までは80%ぐらい「日本人か?」と聞かれたのですが、最近は「韓国人か?」「台湾人か?」と聞かれる割合の方が多くなっています。なかなか日本人が出てこないので、面倒くさい時には「シンガポール人だ」ということにしていますが、何故かそれで納得されて終わってしまいます。
そんなに私の風情は変わっていないはずなので、やはり彼ら/彼女らが思う・目にしているアジア人の比重が確実に変わってきているのだと思っています。
ヘンカップライ
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